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台北市動物園のシロサイに
会いに行きました!




今年4月、台北市動物園を訪れました。


東京の多摩動物公園や仙台の八木山動物公園のように動物園前の駅(MRT文湖線)のすぐ前が正門なので、初めて台北を訪れた観光客でも簡単に行くことができます。



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中国語、日本語、英語の園内マップをもらいました。日本語版の表紙はセンザンコウ、英語版はソマリノロバです。

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上野動物園の12倍の広さなので、まずは園内シャトルトレインで奥まで行って戻ってくる回り方が効率的なようです。


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台北市動物園には5頭のシロサイがいます。
あー、もうすぐシロサイに会えます!!
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シロサイ舎前に着きました。

広くて木が多いですね。サイは見当たりません。


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放飼場のフェンス沿いに移動すると・・・

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昼寝をしている2頭のサイが見えてきました。
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緑に囲まれて気持ちよさそうに昼寝をしています。
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パネルには5種のサイ、

そして密猟と生息地の消失が原因の絶滅危機についての説明。

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サイが大好きな泥浴びのこと、サイの角の薬効を信じる人もいるが実際の成分はヒトの爪や髪の毛と同じケラチン、といった角についての説明も書かれています。


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やはり日本の動物園と同じで、サイの角を使用するのはベトナムや中国の富裕層だという具体的には国名には言及していません。日本以上に、中国本土のことには触れにくいかもしれません。

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この広い放飼場の茂みを抜けると、
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このように開けた場所もあります。
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ここにいると、草を食べていると姿がじっくり見られます。
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台北市動物園には、シロサイのための公開放飼場が2つあります。こちらは2番めの放飼場で最初のところに比べると小さいです。
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ここにも2頭のシロサイがいました。
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このパネルでは、サイの足の裏は重い体重を負担なく支えるために弾力のあるクッション状になっていること、サイは奇蹄目であることが説明されています。

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こちらは、角について、それから、シロサイは小さな群れで暮らすが、おとなのオスはひとりで暮らすこと、夜に動きが活発になることを解説。

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南アフリカの代表的なサイ孤児施設の The Rhino Orphanage についての解説パネルもありました。日本の動物園では、サイ孤児施設について詳しく解説しているところはないかもしれません。

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サイ孤児施設のパネルの前には実物大のサイの赤ちゃん像が設置され、子どもたちが喜んで撫ででいました。とても可愛いので日本の動物園にも置いたら喜ばれそうです。

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園内のエレベーター。
クロサイが降りてきます!?


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園内ショップで購入したサイの絵本。母親を密猟で殺された子サイが動物園を経て野生に戻される物語。
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今回、初めて台北市動物園を訪れましたが、同じ首都でも台北市自体が東京よりずっと小さいこともありますが、都心から30分も行けばこんなに広い動物園があるのは、動物園ファンとしては、羨ましく思いました。園内に緑が多いのも印象的でした。

シロサイの放飼場も、この記事で最初に紹介した第一の場所は、ともかく広くて木がうっそうとしていて驚きました。ここなら生息地の自然のように暑いときは木陰で日差しを避けられ、入園者の視線を避けたいときは隠れることができ、のびのび走ることもできます(おとなのサイは動物園ではあまり走りませんが、子サイが生まれたら嬉しそうに走り回るところが目に浮かびます)。


第ニの放飼場も、日本のサイの放飼場で言えば、私の知る限りでは、多摩、東武動物公園、和歌山、安佐(それぞれ結構違うかもしれませんが)みたいな感じで、日本の感覚では結構広いところです。



解説パネルも多く、サイ全般、サイの角のこと、野生のサイの現状などが詳しく解説され、すべて英訳が付いているので、サイについて多くの人がしっかり学べるようになっていました。


現在、台北市動物園では5頭のシロサイ(メス4、オス1)が飼育されていますが、2003年まではクロサイも飼育されていました。


そのなかには、日本から台北に移動した安佐動物園生まれのクロサイ2頭、東山動物公園生まれの1頭がいました。(これらのクロサイについては、別の機会に投稿しようと思います)。



安佐動物公園のクロとハナのこどもたち。

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現在、ここにシロサイの放飼場が2つあるのは、シロサイとクロサイの両方が飼育されていた期間があったためかもしれません。



台北市動物園は、サイだけでなく見応えのある動物園なので、台北旅行をされることがあれば1日かけてゆっくり訪れるのがお薦めです。


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日本でもよく知られている霊長類学者で自然保護活動家のジェーン・グドールの言葉も、掲げられていました。
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Only if we understand, can we care.
Only if we care, we will help.
Only if we help, we shall be saved.

「理解してはじめて、私たちはケアできる。ケアすることができれば、私たちは助けることができる。助けることができれば、私たちは救われる。」




もし台湾に行ったら、

台北の金融街のランドマーク

巨大サイ彫刻

King Kong Rhino は

一見の価値あり!


巨大なサイの彫刻作品。
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重さ5トン、長さ888cm、横幅 220cm、 高さ485cm
 
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銀色に輝くステンレス・スチール製、角の部分はチタン合金。


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台湾では「金剛犀牛」、King Kong Rhino として親しまれているこの巨大サイは、台北・信義区にある 台湾企業 Kelti International Group の本社ビル前に設置されている。


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ビルのオーナーで Kelti グループ会長の陳武剛 Chen Wugang 氏は、大きな金色の雄牛の銅像があることで有名なニューヨーク、マンハッタンのウォール街のように、巨大サイの彫刻がある台北の金融街が繁栄することを願い、これを設置したという。



マンハッタンの Charging bull !

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Photo(C)Chiris Hondros


ちなみに Kelti International Group の本社ビルには、台湾では最初の中国銀行の支店である中国銀行台北支店も入っている。



この巨大なサイの制作者は、陳武剛 Chen Wugang 氏の友人でもある彫刻家、 施力仁 Shih Li-Jen 氏。


彼はサイに魅了され、キュレーターやギャラリー経営を経て、自らも芸術家となり、彫刻作品よりサイを救うことをめざして多くのサイ彫刻作品を制作している。



この作品について 以下のように語っている。


「 ミラーのようなステンレス・スチールは、日々変化する空と周囲の環境を映し出す。


サイの絶滅危機は悲しいことで、それを人々に認識させることを目的とした。


鎧をまとったサイは、強い抵抗のイメージを伝える。


角の部分には、人間の指紋が刻印され、人間の略奪行為を表している。同時にそれは、すべての動物への敬意の重要性を伝えることも意図している。


サイは、中国文化では、幸運と優しさの象徴。




私は4月上旬に台湾を訪れ、実際にこのサイを見ることができた。目の前でみると鏡のように光る銀色の巨大な反射面の連なりの力強さに圧倒される。


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当然ながらあまりに大きいので近寄るとその一部しか目に入らない。そのため周囲を少しづつ移動しながら眺め続ける。全体を確認したくなって離れるとまた近づきたくなる。


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動物園のリアルなサイの前に飽きずにいつまでもいられるのと同じように、動かぬこの大きなサイの前にもいつまでも飽きずにいられるような気がした。幸運にもこの作品のもつ力を十二分に分けてもらっているということかもしれない。



都会のこんなに開かれた場所に、これほど大きな彫刻作品が置かれ、多くの人の目を引くことができる環境は世界中にもあまりないと思う。ましてや、サイの彫刻がこんなに恵まれたところに置かれている例は他にあるだろうか?



それだからこそ、本当に勿体なく残念な思いがする。


制作者のShih Li-Jen 氏は、サイの絶滅危機を伝えたい、人間の略奪行為を止めたい、と語っているにも拘らず、巨大サイの彫刻の小さな解説パネルには、そのことは全く触れられていない。


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現状でこのサイを見た人は、その大きさや美しさに感銘を受けても、現実のサイの問題について知ることができない。少しでもそれが伝わるような解説をつけてもらえば、巨大サイとの出会いと共に強い印象を残すのではないか?


ビルの前の大きな広場は、、サイの厳しい現状、角目当ての密猟問題を広めるには本当に理想的な場所と言えるだろう。巨大サイに見守られながら、サイ保護の啓蒙イベントを実施し King Kong Rhino のパワーで、ベトナムや中国本土のサイ角消費を止めるムーブメントを起こすことはできないだろうか?と夢想してしまう。


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この巨大サイがいる場所は、台北で人気の観光名所、展望台のある高層ビル台北101からも歩いて10分程度のところなので、日本の方々にも是非とも見に行って欲しい。


私は、いつか機会があったら、夜の闇に輝くKing Kong Rhino の勇姿も見てみたい!




この近くには、こんな風に不思議によじれた形の超高級マンション「陶朱隠園」もある。


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地上21階、高さ93,2m で1戸の広さは600平米。こんな形だと大地震になったらどうなるかと思うが、地盤と建物の間にゴムなどの免震部材が設置され揺れが建物に伝わりにくい免震構造になっているそうだ。 




参照記事:

1.Chen Wugang

https://www.businesstoday.com.tw/article/category/80732/post/201201120001/



2.The Art of Rhino Conservation

https://taiwantoday.tw/news.php?unit=20,29,35&post=26476


3.King Kong Rhino 金鋼犀牛

http://www.smagtw.org/SHHLi-Jen/Gallery/KingKongRhinoNightView.html



4.Fun Things To Do Around Taipei 101

https://differentville.com/things-to-do-around-taipei-101/



5. 「子供の科学」2023.5月号 特集”びっくり建築ワールドツアー”  


6.https://en.wikipedia.org/wiki/Kelti_Group_Headquarters

The Kelti Group Headquarters (Chinese: 克緹國際大樓) is a 19-story, 91 metres (299 ft) office building designed by Taiwanese architect Kris Yao and completed in 2009 in Xinyi District, Taipei, Taiwan.[1][2] The building houses the corporate headquarters of Kelti Group as well as the Taipei Branch of the Bank of China.[3][4][5][6]





4月13日

多摩動物公園の

26才のオスのインドサイ

ターが死亡。



死因は、起立不能による多臓器不全。


死亡する4日前に東京ズーネットに掲載されたターの近況についての記事には、足だけでなく、耳にも大きな疾患を抱えていたことが伝えられている。



参照記事1.


インドサイ「ター」の近況

 └─ 2023/04/09

https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=tama&link_num=27924




1月には左耳に血行障害が起こり、2月には耳の先端から根元まで壊死したため、麻酔をかけて左耳の耳介(耳の外に出ている部分)を除去する手術をした、という。鳥インフルエンザによる休園期間のことだった。




耳介の手術後のター。
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(C)参照記事1より。


手術後は左耳の穴が塞がってしまい、右耳で音を聞いている様子だった、とのこと。優れた聴覚で周囲の情報を聴き取るサイにとって、急に片耳が聴こえなくなるのは大変なストレスだろう。



さらに同時期の2月頃から、後肢の爪が伸び過ぎて痛みがあり、立ち上がるときにふらつくようになっていたという。


投薬しながら、爪を削ったり床にウッドチップを敷いたり足の負担を減らすような処置がおこなわれたが、4/10 の夜にはから立てなくなってしまった。


そして、13日の18時過ぎ、死亡が確認された。


「起立できない時間が続いたことで筋肉の損傷と循環の悪化が生じ、老廃物が溜まって複数の臓器に障害を引き起こしたと考えられます」と、死亡の経緯が報告されている。




参照記事2.

インドサイの「ター」が死亡しました

 └─2023/04/17

https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=tama&link_num=27938



インドサイの蹄の問題について、すぐに思い浮かぶのは金沢動物園での成功例だ。


野生では湿地に暮らすインドサイの場合、動物園のコンクリートの硬い床では足の裏や蹄に病変が起きることが多い。


金沢動物園ではインドサイの足に負担をかけないための徹底的な環境改善によってその問題を解決した。


この試みについては、インドサイの国際的血統登録を担当し、インドサイ飼育の世界的なメッカであり、ターが生まれた場所でもあるスイスのバーゼル動物園からも高く評価されている。


飼育担当者の試行錯誤を重ねた努力のおかげで、金沢動物園のキンタロウの蹄の長期の病変は治癒して再発もなく、39才直前まで生きることができた。



参照記事3.

タタミで暮らしたインドサイ

https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/kanazawa/details/10-6.php



参照記事4.

飼育環境の改善によるインドサイの蹄病変の治癒例

https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/author1709b/docs/04abaa4471722c01e7f732cc0c6310798dbf1504.pdf




多摩動物公園でもインドサイの足を守ることには注意を払い、放飼場や寝室にも脚への負担軽減のための木材チップを敷いていた。

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しかし、蹄が伸び過ぎる前に、最悪の事態を予想して問題箇所の蹄のケアができていたら、ターはこんなに早く命を奪われることはなかったのではないかと、素人考えで思ってしまう。




■ ターの誕生日:

1996年11月22日、スイスのバーゼル動物園生まれ。

東山動物園のニルギリ(1990.1.23生まれ)とは異父姉弟。

2頭の母親は、エローラ。


■ スイスからの移動:

1998年10月8日、多摩動物公園へ。

2才にもならない早い時期に母親の元を離れた。



■ 多摩に新たなインドサイ導入

2002年3月にネパールのチトワン国立公園の野生由来のインドサイ、オスのビクラム(推定1才)とメスのナラヤニ(推定6ヶ月)が多摩動物公園へ。



野生由来のペアが導入されたことで、血統の多様性からみて、動物園生まれのターの繁殖への期待値は下がっただろう。


結局、ビクラムとナラヤニの間に繁殖はなかったが、ビクラムがダメならナラヤニとターとの繁殖でもまあ仕方ない、と思われながら、いつも二番手として、ナラヤニとの同居に時々駆り出されていたのではないか?実際、私も野生同士の2頭の子の誕生を大いに期待していた!


そう思うせいか、ターについては何となく、いつも水につかって昼寝をしているあまり期待されない気楽な長男坊のようなイメージを勝手に持っていたので、26歳の若さでの耳介の切断と立ち上がれないほどの後肢の痛み、というターの最期の苦しく厳しい状況を個人的には余計に気の毒に感じてしまう。



今後にターの飼育体験を活かすため、多摩動物公園には現在飼育中のビクラムとゴポンの蹄と足裏については日頃から細心の注意を払って早めの対処をして欲しい。勿論、担当者の方々も同じ考えだとは思うが。


2022年7月にに31才の誕生日直前に死亡した安佐動物園のクロサイ、ヘイルストーンに続いて、サイのように体重の重い大きな動物は本当に足が命だと改めて思い知らされた今回のターの悲報だった。



ブログ内関連投稿記事:

安佐動物公園のクロサイのヘイルストーン、起立困難で安楽死

https://sainomimy.exblog.jp/30144640/

2022.7.29




私がターに最後に会ったのは2022年12月22日のことだが、既に耳にも後ろ肢にも痛みがあったのだろう。このときは想像もしなかったが、年が明けてから4月13日に旅立つまでのターは本当に可哀想だったと思う!


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2022.12.22 ター


1年前の国内のインドサイ飼育数は9頭であったが、2022年6月に金沢動物園のオスのインドサイ、キンタロウが39才を目前に死亡したのに続いて、また26才のターが死亡、この1年でインドサイは7頭に減ってしまった。



今のところ多摩のゴポンとビクラムに繁殖を期待するしかないが、日本のインドサイの将来はどうなっていくのだろう?





ゴポンとビクラムのペアリングのための同居している、という多摩動物公園のツイッター記事を見たので翌日に行ってみたが、同居は終了したようで、別々の放飼場にいた。


フェンスの手前がゴポン、
奥で昼寝しているのがビクラム。
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ネパールのチトワン国立公園で保護された生まれのビクラム。2002年に多摩動物公園へ。推定約21~22才。

野生由来なので血統の多様性のためにもゴポンとの間の繁殖がとても期待されている。小さいときネパールでトラに襲われたときの傷の影響で今も耳が立たない。
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もう1頭のオス、ターが裏の放飼場にいた。ターは、1996年スイスのバーセル動物園生まれ。2才足らずで多摩へ。
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そして、紅1点のゴポン。2021年12月に横浜の金沢動物園から、多摩での新たな繁殖の可能性を期待され移動してきた。交代で2021年3月、ビクラムと一緒にネパールから多摩に来た同じく野生由来のメスのナラヤニが金沢動物園に移動した。
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ゴポンは15時45分頃に寝室に移動。とても美味しそうに果物や草を食べる。

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すっかり多摩動物公園の「顔」となったゴポンは、飲料販売のバイト中!?
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金沢動物園に移動したナラヤニの繁殖相手とされていたキンタロウは昨年死亡したので、今のところ繁殖の可能性は絶たれた。

金沢動物園で出産と子育ての豊富な経験のあるゴポン頼みの繁殖を期待せざるを得ない。