米シンシナティ動物園にマレーシアからスマトラサイが来るのか?
米シンシナティ動物園で
姉弟の2頭だけになった
超絶滅危惧種のスマトラサイ。
苦渋の選択で近親繁殖も考えられたが、
マレーシアから繁殖のためにオスが
やってくることになった。
(この計画の実現を待たず、シンシナティ動物園の
メスの Suci が、2014年3月に死亡)
スマトラサイ :
体毛がある小型サイ。密猟や森林破壊のために生息数を減らし、
スマトラ島とボルネオ島に100頭以下、飼育下で約10頭。
現在、最も絶滅に近い大型哺乳類の1種。
参照記事 :
1.Sabah rhinos headed for US zoo on loan(E)
2.Sabah rhinos headed for US Zoo
3.Transfer of Sumatran rhino to Cincinnati Zoo timely
2月19日、マレーシアのサバ州政府は、カリマン島北部
マレーシア領サバ州で飼育下にあるスマトラサイ(♂)のTamを、
米国シンシナティ動物園に貸し出すことを決定した。
これは、サバ州のDanum Valleyに
生き残る最後のスマトラサイを絶滅から守るため、
動物園の自然交配繁殖プログラムに基づいて
行うブリーディング・ローン。
サバ州は、1985年にサイの輸出禁止を決定しており、
これまではサイを貸し出す案には消極的であった。
しかし、サバ州のサイは減少の一途を辿っており、
現在、飼育下にあるメスの Puntung(2011年に繁殖のため
捕獲された。)は、子宮に疾患があることが判明し、
もはや選択の余地はないという判断で、州政府内閣は
サバ州野生生物局からの提案に同意した。
シンシナティ動物園でTamを待つメスのスマトラサイは、
9 才のSuci。サイの繁殖のエキスパートの同動物園の
テリー博士が自然交配で誕生させた3頭のスマトラサイの
うちの1頭。飼育下でのスマトラサイの繁殖は、112年
ぶりという快挙だった。サバ州がサイの貸し出しを決定した
一因には、このテリー博士の実績も大きい。
まったく遺伝子の異なるTam と Suci から生まれる個体が、
以後の世代にとって遺伝子的にも大きな恩恵となることは確かだ。
スマトラサイが絶滅するか否かの分岐点にある以上、
リスクがあってもチャンスに賭けるべき、というのが
今回の決定ということである。
Tam の米国への出発は、今年の夏頃の予定。
それまでに、森林に設置したトラップカメラに2013年12月に
映ったメスをもし捕獲できたら、まずそのメスとの繁殖を
試みる計画があるのだ。
しかし、大雨による地すべりや、1時間も歩くと30匹の蛭に
たかられる、という厳しい状況下での捕獲は容易ではない。
以下、参照記事1より原文一部引用 :
"Kota Kinabalu: The State Cabinet decided unanimously Wednesday to allow the transfer of Sabah’s Sumatran rhinos such as Tam on loan to the Cincinnati Zoo in the US under a collaborative natural breeding in captivity programme to stave off the imminent extinction of Sabah’s last remaining few individuals in Danum Valley."
すべてのことが順調に運んで、
スマトラサイが2頭ふえたら
すばらしい!
ブログ内関連投稿記事 :
「米の動物園、スマトラサイ姉弟、近親交配の選択」
(2013.08.06)
「スマトラ島で7頭のスマトラサイの撮影画像! 」
(2012.08.12)